最近ニュースなどでも大きく報道されている、自動車運転処罰法および道路交通法の改正をご存じでしょうか?
これまで「アルコールの影響で正常な運転が困難」「進行を制御できない高速度」といった抽象的な表現にとどまっていた「危険運転致死傷罪」の要件について、「アルコール濃度」と「スピード超過(速度違反)」の具体的な数値基準が明確に新設されました。
今回はドライバー個人はもちろん、企業の安全運転管理においても絶対に知っておくべき「危険運転の最新ルール」を解説します。
1. 酒酔い運転・危険運転に「呼気0.5mg/ℓ」の数値基準
これまでは事故発生時に酔いの程度(千鳥足かどうか等)の立証が難しく、危険運転の適用が見送られるケースがありました。
今回の改正では、「呼気1リットル中0.5ミリグラム以上」(または血液1ミリリットル中1.0ミリグラム以上)という数値基準が明記されました。
この基準を超えた状態で死傷事故を起こした場合は、自動的に危険運転致死傷罪(最高で20年以下の懲役・拘禁刑)の適用対象となります。
💡 呼気0.5mg/ℓとは?
体重等にもよりますが、ビール大瓶2本、または日本酒2合程度の飲酒量で達してしまう数値です。
「少し時間を置いたから大丈夫」という残酒運転でも超えてしまう危険性があります。
※なお、0.5mg/ℓ未満であっても正常な運転ができない状態と判断されれば、従来通り厳しく処罰されます。
2. スピード超過(暴走運転)にも明確な数値基準が設定!
飲酒だけでなく、過度なスピード違反による事故についても危険運転致死傷罪の基準が明確化されました。
| 道路の最高速度(制限速度) | 危険運転致死傷罪の適用対象となるスピード超過 |
| 制限速度 60km/h 以下の道路(一般道など) | 制限速度を 50km/h を超えて 超過した走行 |
| 制限速度 60km/h 超の道路(高速道路など) | 制限速度を 60km/h を超えて 超過した走行 |
例えば、制限速度60km/hの一般道を111km/h以上で走行して死傷事故を起こした場合、従来の「単なる前方不注意や過失」ではなく、重大な犯罪である「危険運転」として厳罰に処されることになります。
3. 個人・企業が今すぐ意識すべき対策
法改正により「うっかり」や「これくらいなら…」に対する社会的・法律的ペナルティは格段に重くなりました。
- 前日・当日の酒気帯びチェックの徹底: アルコールチェッカーの導入・使用を徹底し、特に朝の出勤時や社用車使用前の「残酒」を防ぎましょう。
- スピード出し過ぎ(速度超過)の社内指導: 「急ぎの配送・訪問」によるスピード違反は、一瞬で企業生命を脅かすリスクとなります。テレマティクス(通信型ドライブレコーダー)等を活用した安全運転指導が効果的です。
- 自動車保険・賠償責任の確認: 危険運転による事故は刑事処罰だけでなく、巨額の民事賠償が発生します。自社の自動車保険の補償内容(対人・対物無制限など)が万全か見直しておきましょう。
今回の罰則明確化は、「悪質な運転を徹底的に減らし、すべての道路利用者の命を守ること」を目的としています。
自動車を運転する際は、スピードメーターや体調・飲酒有無を今一度確認し、心にゆとりのある安全運転を徹底していきましょう。
樹コンサルタントでは、自動車保険のご見直しのほか、企業の安全運転管理・コンプライアンス対策に関するご相談も承っております。お困りのことがございましたら、一宮本社・名古屋支店までお気軽にお問い合わせください!